王座陥落した長谷川は、難しい選択を迫られそうだ。この試合をプロモートした帝拳ジムの本田会長は、勝てば次はWBA同級王者モレノ(パナマ)との2団体統一戦プランもあったと試合後に明かしたが、それも消滅。今後考えられる大きな可能性は、2つだ。

 まずは長谷川陣営の山下会長が希望したように、モンティエルとの再戦。本田会長は「(長谷川)本人次第」と前置きしながらも「(再戦は)なくはないですよ。本人は納得いかないでしょう」と、長谷川の胸中を思いやった。

 新WBC王者モンティエルは日本未公認団体WBOの王者だけに、団体を超えた今回のマッチメークも本田会長らの多大な尽力の末に成立した。再戦ならクリアすべきハードルはより高くなる。モンティエルが母国メキシコ開催を要求することも考えられる。本田会長は「やりたいのなら、何とか努力してできるようにしたいですね」と語った。

 もう1つは、階級を上げるプランだ。これまでも長谷川は約12キロにも及ぶ減量苦を理由に「階級を上げればもっと動ける」と2階級上のフェザー級まで視野に入れ、転級の可能性を口にしてきた。バンタム級でKO量産してきた要因の1つである、体格の優位さは少なくなるが、体調面を考えるとメリットはある。「2階級制覇」も新たなモチベーションとしては十分だ。再戦か、それとも階級アップしての再出発か。敗れはしたが、長谷川の行方も高い注目を集めそうだ。