WBA世界バンタム級王者の亀田興毅(25=亀田)が、4階級制覇を見据えた「高速パンチ」を引っ提げ、4度目の防衛を狙う。30日に東京・後楽園ホール内で、4月4日のノルディー・マナカネ(28=インドネシア)戦(横浜アリーナ)の予備検診を受け、胸囲が前回の防衛戦時より2・5センチ減の96センチとなった。早ければ年内のスーパーフライ級転向による4階級制覇へ肉体改造に着手。不必要な筋力をそぎ落とし、パンチのスピードとキレを増した。

 防衛回数を重ねるだけの試合にするつもりはない。亀田興は「格の違いを見せつける。いい戦いを見せないと、ビッグマッチの話も来ないやろ」と言い切った。指名挑戦者との交渉がまとまらず、前回に続いて世界ランク2ケタ台の相手で臨む防衛戦となるが、明確なテーマがある。

 バンタム級での指名挑戦を退けた後、早ければ年内にもスーパーフライ級へ転向し、4階級制覇へ動きだす。第1歩として掲げたのが、肉体改造によるパンチの速度アップ。階級を上げて3階級を制覇する一方で、筋肉のよろいをまとった反動で「昔のようなスピードがないし、パンチにキレがない」と悩んでいた。

 ウエートトレーニングを控え、スパーリングなどのより実戦を意識した練習で筋力を強化。持久力やパワーを維持しつつ、胸囲が前回より2・5センチ、胸厚で1センチシャープになった。本格的な減量を前に、取り組みが測定値に表れ始めた。「自分がやってきたことを出す。パンチを全部当てるつもりでやる」。内なる戦いの先に、新たな挑戦が待っている。【山下健二郎】