WBA世界ミニマム級王者の八重樫東(29=大橋)が団体王座統一へ、1発KOの左フック「エア・エイ」を開発した。WBC同級王者井岡一翔(23=井岡)との国内初の王座統一戦(6月20日、大阪)へ向けて21日、横浜市内の所属ジムで4回のスパーリングを実施。体を空中へ跳び上がらせながら距離を詰め、同時に強烈な左フックをたたき込む大技を繰り出した。

 ヘッドギアを着けた相手を、1発でロープまで吹き飛ばすほどの威力。プロテニスプレーヤー錦織圭のウイニングショット「エア・ケイ」にちなみ、大橋秀行会長から「東(AKIRA)」の頭文字を盛り込んで命名された。この日は2回以降に計3度試して、いずれもクリーンヒット。八重樫は「相手との距離感や一瞬の間合いで、無意識のうちに打っている。結構当たる」と手応えを口にした。

 松本好二トレーナーは「身体能力がある八重樫だからこそ、打てるパンチ。井岡選手よりも経験値があるので、いろんな引き出しを用意したい」。決戦へ、ど派手な武器を用意した。【山下健二郎】