世界2階級制覇を狙う亀田大毅(24=亀田)が過酷な2度の計量を乗り越え、3兄弟同時の世界王座の獲得を目指す。9月3日に控えるIBF世界スーパーフライ級王座決定戦(サンメッセ香川)の予備検診が29日に都内で行われ、同級3位の大毅は、あと4キロの減量が残っていることを明かした。前日計量までの4日間は、ほぼ絶食状態になるという。

 前日計量をパスしてもIBF世界戦は、もう1度計量が残る。試合当日朝の計量で10ポンド(約4・5キロ)以上の増量は許されない。6月の世界前哨戦で試合日に約5キロのリバウンドがあった大毅は「それが(IBFの)ルールやから。多少減量の具合も変わってくる」と、2度計量に慎重な姿勢で取り組む姿勢を示した。

 既に28日夜から大毅は何も食べていない。水分も氷をなめる程度。連日、ジム内にある室温50度の減量室でミット打ちして汗を絞り出している。大毅は「どの試合も減量は一緒」と強調したが、11年12月以来となるスーパーフライ級リミット(52・1キロ)の減量は過酷な様子だ。

 この日の検診は同級4位ロドリゴ・ゲレーロ(25=メキシコ)と時間差で受けた。両者ともに体調の異常はみられなかったが、大毅は前回の世界戦よりも1・5センチも身長が縮み、167・5センチにとどまった。身長は0・5センチ、リーチで5センチもゲレーロより下回ったが「その差はいつものこと。気にしていない」と体格差には強気な姿勢を貫いていた。【藤中栄二】

 ◆IBF(国際ボクシング連盟)の計量

 WBA、WBC、WBOの他3団体と同様、タイトル戦は前日計量を設定するが、IBFのみ試合当日にも計量を行う規定がある。当日計量時には10ポンド(約4・5キロ)以上、増量してはならないルールで、超過した場合は2時間の猶予を与えられ10ポンド以内に戻さなければならない。規定通りにクリアできなかった場合、王者は王座剥奪、挑戦者はタイトル挑戦ができなくなる。階級制を徹底させ、急な増量におけるリング禍を防止する意味合いがある。