東日本大震災からの復興を祈願した「復興祈願土俵入り」が20日、茨城県ひたちなか市で開かれ、白鵬(30=宮城野)と日馬富士(31=伊勢ケ浜)の両横綱が、鎮魂の思いを込めて土俵入りを行った。

 日本相撲協会は、震災があった11年から被災地の巡回慰問を行っており、復興を祈願したイベントは今年で5年目。今回は、震災で甚大な被害を受けた茨城県内で初めて開催された。

 今回のイベントは当初、1000人を予定していたが、約4000人の応募があったため、可能な限り入場できるように変更。早朝3時から並んだ人もおり、約3000人の市民らが集まり、力士と触れ合った。

 ほかにも地元茨城県出身の稀勢の里(28=田子ノ浦)ら3大関や、同じく地元茨城県出身の高安(25=田子ノ浦)、関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)ら15人の関取が参加。トークショーなどを行い、勢(28=伊勢ノ海)は相撲甚句を披露した。

 開催前に「短い時間だけど、被災された方が少しでも元気が出て、笑ってもらえるように頑張ろう」と呼びかけた尾車巡業部長(元大関琴風)は「震災を忘れることが一番いけない。我々はそんなに役には立たないだろうが、少しでも力になってくれればいい」と願った。