日本相撲協会は29日、名古屋市の愛知県体育館で秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、正代(23=時津風、熊本県出身)が新十両に昇進した。

 師匠の時津風親方(元前頭時津海)と会見した正代は、テレビカメラが気になって前夜から眠れなかったそうで「勝ち越しを決めた相撲より緊張しているかもしれない」と大汗。「3月場所からチャンスがあったが、勝ち越してからの一番がなかなか勝てなくて…。やっとここまで来た。本当にうれしい」と喜んだ。

 時津風親方いわく「何をするにしても、マイナス思考」の性格。十両で対戦したい力士を問われると「全然ない。できればみんなと当たりたくない」と答えて、師匠から「バカじゃないの」と突っ込まれた。

 東農大2年時に学生横綱に輝き、幕下15枚目格付け出し資格を得たが、当時は入門せず、大学卒業を待って前相撲からスタートした。「下積みをしていって、少しずつ力をつけられた。逆に良かった」。所要9場所での新十両については「周りからは、ちょっと遅いと言われたが、僕の中ではこれが精いっぱい」と笑った。