日本相撲協会は26日、九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、ざんばら髪の御嶽海(22=出羽海)が史上2位タイの所要4場所でスピード新入幕を果たした。イケメンの遠藤に対して、かわいい系。人気も出そうだが、全国CMは三役まで封印して、相撲に集中する。

 いつの間にか御嶽海の腕に、カマキリが止まっていた。福岡県新宮町の宿舎外で撮影に臨んだ後だった。「攻撃的な虫は苦手なんです」と涙目で、人に払ってもらった。だが、カマキリは神の使いだという言い伝えもある。新入幕の門出に、使者から祝福を受けた。

 わずか所要4場所でのスピード昇進。「出来過ぎじゃないかと思う」と自身も驚いた。あこがれの武双山らと並ぶ史上2位。そして、1位の相手に闘志を燃やした。「大先輩の遠藤関と、早く対戦してみたい」。

 出身の長野と、2学年上の遠藤の石川は同じ北信越。「小学校からイケメン。男前だし強かった。悔しいですね」。とはいえ今、歩む道は似る。幕下10枚目格付け出しでのデビューと、まげが間に合わずにざんばら髪で挑むところ。好む色も互いにピンクだ。「遠藤関は濃い色。自分は薄い色が好き」と強調するが…。

 13年秋の遠藤、14年秋の逸ノ城のように、快進撃で人気者になる可能性は十二分。ただ、周囲には「相撲に集中」と、三役までCM出演封印を言い渡された。今は人気より実力を。「夢は広がるが、稽古しないと終わっちゃう。稽古して、夢を見続けたい」。自身もわきまえた。【今村健人】