取組直前に両腕を広げて上体を反らすルーティンの呼び名が「琴バウアー」に決まった大相撲の大関琴奨菊(32=佐渡ケ嶽)に18日、06年トリノ五輪で金メダルに輝いたフィギュアスケートの荒川静香さん(34)からエールが届いた。

 もともとの呼び名の発端は、フィギュアの技の「イナバウアー」に荒川さんが加えた上体を華麗に反らす姿から、相撲ファンがもじったもの。荒川さんも話題を知っており「琴奨菊さんの取組前のしなやかで力強いルーティンはとっても印象的で、その柔軟性に驚きました」と感心していた。

 上体を反らすこと自体はイナバウアーでなく、戸惑いもなくはない。世間にも「本当は違う技なのに」という指摘はある。それでも、周囲によると「技の名前が話題になっているので、覚えていただけるなら個人的にはうれしいこと」とも話しているという。「さらなるご活躍を楽しみにしています」と願った。

 トリノ五輪をテレビで見ていた琴奨菊は感激し「もし対談できたら、モチベーションの保ち方とかを再確認したい。競技は違っても、つながるものはあると思うから『そういうのもあるんだ』というのを聞いてみたいね」と望んだ。思わぬ“代名詞”が生んだ接点。金メダリストからも、力をもらっていた。