西幕下2枚目の宇良(23=木瀬)が、新十両昇進へ大きく前進した。西十両13枚目の天風(24)を送り倒しで破り、4連勝で勝ち越しを決めた。素早い動きで、80キロ重い体重205キロの巨漢をほんろう。元大関小錦や把瑠都を上回る史上4位の所要7場所での新十両へ、最低条件の「4勝」をクリアした。
初めて上がった十両の土俵でも、業師ぶりを発揮した。宇良が俊敏な動きで、地元場内を盛り上げた。立ち合いで、天風の顔に向かって右手を伸ばすと、すかさず体を潜らせた。右足を両腕でつかみに動く。体勢を崩した相手は、前のめりに土俵下へと転がり落ちた。
新十両昇進に前進する無傷の4勝目。「どこではね返されるかという思いで、ずっとやってきた。勝ち越しはうれしい」。ひと息つくと同時に、173センチ、122キロの体で負けん気ものぞかせた。身長で11センチ、体重で80キロ重い天風を粉砕したことに「勝負ですから。勇気もくそも、やらなきゃ。勝つために全力を出すだけです」と語気を強めた。
アマ時代に得意とした奇手の居反りは、封印している。「押しで勝てないと関取なんてやってられない」。押す力を蓄えるため週3度の筋トレと、ご飯5・5合は欠かさない。入門1年で体重は15キロ増え、高校入学時からは実に70キロも増量。京都・鳥羽高時代の恩師で相撲部の田中英一監督(43)も「関学大に入学が決まった後も、センター試験を受ける生徒と一緒に勉強していた。ひたむきな性格。上でやることを見据えて、今は前に出る相撲を取っている」と目を細める。
所要7場所での新十両昇進なら歴代4位のスピード出世で、元大関小錦らを上回る。千秋楽翌日には地元大阪・寝屋川市長を表敬訪問する予定で、周囲も騒がしくなってきた。「まだ終わってないので。どんどん勝ち星を取っていけたら」。最低条件の4勝はクリアした。確実に念願をかなえるため、残り3番も勝ちにいく。【木村有三】
<宇良和輝アラカルト>
◆生まれ 1992年(平4)6月22日、大阪府寝屋川市生まれ。
◆相撲歴 4歳でわんぱく相撲に参加。小3から中3までレスリングも取り組み、飛行機投げを原型に得意技「居反り」を身に付ける。京都・鳥羽高、関学大では相撲部。11年全国学生個人体重別選手権65キロ未満級優勝。
◆アクロバット 13年10月、ロシアで開催された武術と格闘技の世界大会「スポーツアコード・ワールドコンバットゲームズ」の相撲(85キロ未満)で優勝。立ち合いでいきなりバックステップを踏むなど、取り口はフリースタイル。バック宙もできる身体能力を持ち、テレビ朝日系「マツコ&有吉の怒り新党」の新三大○○調査会でも取り上げられた。
◆スピード出世 15年2月に木瀬部屋へ入門、関学大出身では初の角界入り。同春場所で初土俵、夏場所で序ノ口優勝。先場所までの通算成績は32勝3敗。夏場所で新十両昇進なら所要7場所で史上4位(年6場所制の58年以降初土俵で、幕下付け出しを除く)のスピード記録になる。
◆サイズ 173センチ、122キロ。

