2敗の大関対決は、稀勢の里(29=田子ノ浦)が豪栄道(29=境川)を寄り切って、14年夏場所以来の13勝目を挙げた。

 立ち合いで得意の左四つとなって、力強い相撲で退けた。「いい形でした。千秋楽まで気持ちも体も変わらずにやれたと思います」と話した。

 夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)に向けて大事な一番だった。初優勝はならなかったが、綱とりに望みをつなげた。八角理事長(元横綱北勝海)は「勝ったのは大きい」とし「相当ないい雰囲気が出ればね」と高いレベルの優勝を望み、綱とりを否定しなかった。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も「まず白鵬に勝つこと。そうすれば、自然と道は開けてくると思う」と、白鵬を倒しての優勝を望んだ。

 稀勢の里は「それもこれも自分次第。やることは変わらない。常に上を目指してやるだけ」と言い「たまたまって言われないように、しっかり巡業から稽古して、ベストの状態で5月の土俵に上がりたい」と、大切な夏場所を見据えた。