白鵬が歴代単独トップの幕内通算880勝目を挙げた。取組前に「880」のボードを見つけ「あれで気合が入ったよ」。そのせいか、春場所初日に不覚を喫した宝富士を寄り切って借りを返すと、勢い余って土俵下まで吹っ飛ばした。「投げ捨ててやろうと思ったけど(外に)出てしまった」。ふと我に返って手を差し伸べたが、勝ち残りを忘れて引き揚げようとするなど動揺を隠し切れない様子だった。
春場所では2度の駄目押しで審判部から厳重注意されたばかりだが、友綱審判長は「別段、問題になる相撲じゃない」とキッパリ。その上で「『やっちゃったかな』という反省の気持ちがあったのかもね」と心境を察した。
晴れておとがめなしとなった白鵬は、朝稽古後から模索した記念ポーズを披露するなど喜びはひとしお。「1つの話題になってくれればうれしい」と、最後は上機嫌で帰途に就いた。
◆幕内最多勝利10傑
(1)※白鵬 880
(2)魁皇 879
(3)千代の富士 807
(4)北の湖 804
(5)大鵬 746
(6)武蔵丸 706
(7)貴乃花 701
(8)旭天鵬 697
(9)高見山 683
(10)※安美錦 663
※は現役