大関稀勢の里(29=田子ノ浦)が、横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)に快勝し、春場所に続く13勝2敗で締めくくった。全勝優勝した横綱白鵬(31=宮城野)には2差をつけられ、優勝も14日目に決められた。1差で千秋楽まで優勝の可能性を残した春場所からは、数字的にも印象的にも「後退」のイメージもあった。だが締めくくりの快勝で一転。暗雲は取り払われ、横綱昇進の夢は、7月の名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)までつながった。

 日本相撲協会トップの八角理事長(52=元横綱北勝海)も「素晴らしい相撲だよね。これを2日前にね…」と、敗れた白鵬戦に重ねつつ「連続13番(2場所連続13勝)は立派。来場所が楽しみ。内容次第だけど、やっぱり優勝はほしいね」と昇進の目安について言及。これ以上の具体的な数字や文言は避けたが、報道陣から「先場所より横綱に近づいているか」という問いに「そうそう」と、うなずいた。前述の言葉を繰り返すように「2場所続けて13勝は、そうそう出来るもんじゃない。来場所が楽しみ」と稀勢の里への評価を語った。