大相撲の幕内力士、豊ノ島(32=時津風)が23日、熊本地震の被災地を慰問した。地元の支援者らとともに、益城町立広安小学校で250人前のちゃんこを振る舞い、熊本市内の老人ホームではアイスを配った。

 もともと日ごろから世話になっているトレーナーが熊本を拠点にしている縁もあり、被災地慰問はかねて考えていたという。「いろんな付き合いがあって、何か恩返しできたらと思っていた。いろんな人が協力してくれたおかげで実現できました。どこかで何かが起きたら、同じ人間として、行けたらと思っていました」。

 実際に益城町を訪れると、報道で知っていたはずよりも厳しい現実を目の当たりにした。「それでもみんなが、思っていた以上に明るかった。元気になってもらおうと思って来たけれど、俺の方が励まされた。『頑張りましょう』って言っても、最終的には『相撲見てるから頑張って』と言ってもらえた」と振り返った。

 夕方には、熊本市の少年相撲のクラブを訪れ、子供たちに胸を出した。

 24日は宇土市役所に挨拶に出向き、そのまま名古屋入りする予定。来週からは、名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)に向けた稽古を始める。