7月31日に死去した元横綱千代の富士の先代九重親方(享年61、本名・秋本貢)への叙位(従四位)と叙勲(旭日中綬章)の伝達が13日、東京・両国国技館で行われた。

 角界初の国民栄誉賞受賞など、相撲界への長年にわたる多大な功績が評価されて、先月24日の閣議で決まっていた。

 授与式には、故人の久美子夫人と長男の剛さん、長女の優さんと次女の梢さんの遺族4人と、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)らが出席。元文部科学副大臣で日本相撲協会評議員会の池坊保子議長から勲章などが贈られた。角界では05年5月に死去した元大関貴ノ花の花田満氏、13年1月に死去した元横綱大鵬の納谷幸喜氏、15年11月に死去した北の湖理事長(元横綱)らが、位記や勲章を受けている。

 「日本国民に夢と希望を与えてくださいました。強かったウルフを、いつまでも心に焼き付けて、誇りにしています」などと池坊議長は気遣いの言葉をかけた。久美子夫人は「このような栄誉をいただき、本人も喜んでいると思います。大勢の方々の、温かいご支援のたまものと思います。ありがとうございました」と故人に代わって、受賞のあいさつをした。