大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が、横綱白鵬を倒して優勝争いに踏みとどまった。

 白鵬にとってまさかの2敗となった。土俵際まで追い込み、勝負は決まったかと思われたが、かわされて逆転された。全休明けのブランクからか「勝負勘がまだ足りないかな」と首をひねった。朝稽古では弟弟子石浦の連日の活躍に「一気に来たね。うれしいね」と目を細めていたが、まさかの追う立場となった。

 年間勝利数は残り5日間全勝でも64。トップの稀勢の里と日馬富士の65には届かず、9年連続で記録していた年間最多勝も途絶えた。「1場所休んだからしょうがない」と切り替えた。10年に連勝を63で止められたのも同じ九州場所で相手は稀勢の里だった。自らの記録を更新する幕内最多38度目の優勝に黄信号がともった。