鶴竜がまさかの連敗を喫し、優勝争いから1歩後退した。突き押しで突き放したが、自ら引いて呼び込んでしまい、一方的に押し出された。17個目の金星配給。前日の玉鷲戦と同じ敗因に、「昨日、今日と本当にひどい」と肩を落とした。

 進退を懸けて臨んだ場所で、10日目までは全勝で単独トップに立っていた。しかし、後半戦に入り失速し「自分の相撲を取ろうとせずに勝とうとしている」と、焦りが出てきた。自分に腹が立つか、と問われると「それが1番なんじゃないですかね」と吐き捨てるように言った。89年初場所の元横綱北勝海以来となる、4場所連続休場からの優勝へ、望みはまだある。「とにかく一番一番集中して、というか乗り越えることでしょう」と意気込んだ。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 鶴竜は、引いては駄目だ駄目だと思うと、どうしても出てしまう。引く必要などないのにもったいない。栃ノ心は気負っていたが自分から前に出ているから残せる。(13日目の)逸ノ城には上手を取らせないで速く攻めること。力の出し合いになれば今の逸ノ城は重いから攻めあぐねる。