現役最年長関取の西十両8枚目豊ノ島(36=時津風)が、3場所連続の負け越しを喫した。

6勝7敗で迎えた徳勝龍(33=木瀬)戦。相手も相星で、番付は再入幕を狙える西十両筆頭。そんなモチベーションも高い相手に、左を差したが181センチ、185キロの巨体を預けられ、その圧力に屈するように東土俵に後退。俵に足がかかる剣が峰から何とか踏ん張り、反撃を試みようとしたが粘りもむなしく、寄り切られ土俵を割った。

左は入ったが右は不自由な体勢だった。そんな一番を「右が使えず、うまく取られた。左四つの相撲を取られて、正面に持ってこられたからね」と振り返った。

序盤は5勝2敗と、稽古を満足にできなかった場所前の状態を考えれば、上々のスタートだった。だが、8日目から4連敗。さらに取組中に右腕を痛めたこともあり、6勝6敗からの連敗で負け越しが決まった。「5勝した時、これはいけるなと思った。そのままいって勝ち越せれば良かったけど、そんな簡単なもんじゃなかった。終わってしまえば(7日目までの5勝がなければ)危なかった」と十両残留当確の5勝を前半で決められたことに、胸をなで下ろした。

ただ、ものは考えよう。「このケガが前半だったら危なかった。終盤だったことを良しとして前に進んでいかないとね」とベテランらしく、プラス思考にとらえた。さらに、負け越しの結果を今後、奮起の材料にする。「思い返せば九州(場所)で2年連続の負け越しはない。また来年、体を鍛え直して(九州に)来年も来て勝ち越したい」。場所前は、抜群の相性の良さから九州場所を相撲人生のターニングポイントととらえ、もしや土俵を退く場所…と引退の2文字も頭をよぎった。その博多の地に、来年も現役で戻ってくることを誓った。