「機動戦士ガンダム」19年ぶりの新作映画「劇場版

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 Trailblazer-」(水島精二監督、9月18日公開)に、ガンダム史上初めて宇宙人が敵として登場することが30日、分かった。1979年4月7日のテレビ放送開始から31年、戦争を通じた人間ドラマを一貫して描き続けてきたガンダムの歴史を覆す、人対宇宙人の最終戦争が映画で展開される。

 敵は宇宙人といっても人の形をしていない。銀色で宇宙船かミサイルのような外見をしている。体が金属でできた生命体という設定で、自身の姿を自由に変えることが出来ることから「ELS」(エルス=地球外変異性金属体)と呼ばれる。人の形に変身できるのか、どういう攻撃をするかなど詳細は不明。明らかなのは西暦2314年に、130年前に廃船となった生体反応のない木星探査船が地球圏に接近してきたところから、物語が始まることだけだ。

 79年にテレビ朝日系で放送された「機動戦士ガンダム」以降、同シリーズは戦争の中で人々がお互いの主義、主張をぶつけ合う中で生まれる、「いつかわかりあえる」という理想をメーンテーマとして描かれてきた。その「人対人」という基本構造を、あえて破った水島監督は「誰もやってこなかったこと。これはガンダムなのか、という批判はあると思う」と話す。

 劇場版は07、08年に全50話が放送されたテレビシリーズがベース。私設武装組織「ソレスタルビーイング」が、ガンダムを使って地球各地の紛争に武力介入し、戦争を根絶することで、人類を初の統一政府「地球連邦」の成立に導く物語だった。水島監督は「数あるガンダム作品の幅を広げることが、僕に求められていること。テレビできちんと『人対人』を描いた上で、基本テーマをさらに大きく描くためのアイデアがELSです」と強調した。