ロンドンブーツ1号2号の田村淳に、日刊スポーツの記者が取材する連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」。日ごろAKB48グループを取材している担当記者がAKB48との共演も多い淳に、10周年を迎えたAKB48について聞いています。


田村淳
田村淳

 いわゆる「推しメン」を聞かれたら、昔は高城亜樹って答えていたんですよ。最初のころですね。単純に顔が好みだったんです(笑い)。ただ、次第に、AKB48って、顔だけで推すのを決めるようなグループでもないことが分かったんですよね。グループ内での陣取り方とか、アピール力とか、そういうところを見ていって、宮澤佐江いいなぁと思うようになりました。


高城亜樹
高城亜樹

 同じ業界にいるボクなんかは、誰かひとりに肩入れする必要はないと思うし、肩入れされた方も困るだろうから、本当は「推しメン」って、言いたくなかったんですよ(笑い)。推しメンって言葉も使うの照れくさいし…でも、今の安定飛行に入ったAKB48だからようやく、「あの時は推しメンがこうだった」とか言えるんですよね。最初は高城がいいと思っていたけど、宮澤の存在感、元気の良さとか、推したくなる感じがあって。ほかにも実際に仕事をして気付く魅力もあって、石田晴香はとても才能あふれる個性的な女の子だと思ったし…もう少し評価されてもいいのになぁと感じると余計に推したくなる。


宮沢佐江
宮沢佐江
石田晴香
石田晴香

 やっぱり、そういう風に感情移入しながら見ていくと、AKB48ってすごくおもしろい。じゃんけん大会にしろ、総選挙にしろ、誰か1人に思いを乗せて見るだけでも、全然楽しみ方が違います。


 最近気になるのは…入山杏奈。「オールナイトニッポン」に行った時に、峯岸みなみと北原里英と入山がいて、その中で入山がすごくキラキラ光っていて、「新しい時代の人ってこうなんだな!」って思いました。


入山杏奈
入山杏奈

 ボクはよしもとですし、もちろんNMB48にも頑張ってほしいと思っています。山本彩がブレークしているのはうれしいです。山本は礼儀正しいし、真っすぐ自分の夢に向かって頑張るところが見えますからね。あと、お城のものまねとかしているじゃないですか。ボクお城が好きなんで、「そんなものまねをチョイスするのか!」って思った記憶があります。


山本彩
山本彩

 実はうちの嫁は、乃木坂46がすごく好きなんです。生駒里奈が大好きで、仲が良いんですよ。嫁が乃木坂46のライブを見に行った時にごあいさつに行って、生駒とLINEを交換したらしいです。嫁は昔から生駒が気になっていたみたいで、今は嫁の妹も一緒に、乃木坂46のほとんどのライブに行っていると思います。ボクは、行かないんですけどね(笑い)。嫁はしっとりした楽曲が好きなんですけど、ボクはわぁっ!と盛り上がるような、お客さんが一体になるみたいなのが好きなので…。


 AKB48は今、徐々にメンバーが交代していっているじゃないですか。なんとなく昔のAKB48を引きずりつつ、新しいAKB48を打ち出していっている途中なんだと思うんですけど。ボクは、今後の長く続くAKB48のことを考えたら、どこかでスパン!と区切りを付けてみるのもいいと思うんですよね。「今までの人たちはここで終了、ここからは新しい人のみ!」みたいな改革も見てみたいなと。外野からなので好き勝手言ってすみません(笑い)ぱるるからも、「若い子の中にも、いい子がいっぱいいるんです」って聞いたんですよ。さすがにそこまでボクもチェックできないんですけどね…(笑い)。


 でも結局、AKB48って芸能界の縮図なんだなと思います。上がつっかえていて、下からも突き上げが来る。その時押し出されるのは、中間部分。ボクも芸能界の中間部分なんです。下から若いのが来ていて、上の人たちはそこにとどまっているから、中間層は横にはじかれるっていう構図。ボクも含めてそれを感じていて、「外に放り出される!」って思うんですよ。

AKB48の中でも、中間層でもやもやしている人とかがいると思う。そのバネを、ファンの人たちがくみ取って、大きく高く飛べるようにしてくれているんですよね。そういうファンがついているんだから、メンバーを入れ替えて、一度全体が下がってもいいんじゃないか、と思ったりもします。


 ぱるるとは今後も番組をやっていたいですよね。ああいう改革者が居た方が、グループは絶対おもしろいんだと思います。彼女1人の力で全ては変えられないかもしれないけど、ああいう人がいた方が、次世代AKB48はおもしろいと思いますよ。


島崎遥香
島崎遥香


 時々、秋元さんにお声掛けいただくことがあって…、秋元さんの家にバーベキューに行かせていただいたことがあります。どうして呼ばれるかはボクも分からないんですけど、そこで淳は「どういうこと考えているの」って聞かれて、自分なりの答えをぶつけてみると「なるほどね。こんなふうにやったらいいよ」って…「秋元さんみたいに、そんな全部うまくいってないですもん」とか言うと、「それは俺が成功したことしか見ていないからだよ。俺の失敗したやつをあげたら、成功したやつの何百倍もあるよ」って。ああ、確かにセガサターンとかもあったなって(笑い)。

「でも、成功したことが残っていくから、なんでもいろいろチャレンジすればいいんだよ」って言われたのが、話した中で一番印象に残っています。「俺はこんな風に考えているんだけど、こんな感じで考えてみたら?」みたいなのを、全く押しつけがましくなく、教えてくれているような気がする。ボクの気のせいかもしれないですけど…。


 ファンと、メンバーたちと、運営側という、AKB48のトライアングル。この三つ巴がうまくリンクすると、大きな力になることとか、そういうシステムに、秋元さんはおニャン子クラブの時に気付いたんだと思うんです。AKB48の場合は、ネットの力もあるんでしょうしね。ファンの人たちがネットでつながって、「こういう推し方しようぜ」みたいな意思統一をしていく。サクセスストーリーがあって、その過程を自分たちが応援したから…、みたいなのがあるんでしょうね。それが本当にすごいし、面白いなって思うんです。



※連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」は、日刊スポーツの各分野の記者がさまざまなテーマで取材し、率直に話して貰う企画です。今回は「AKB48の10周年」について、AKB48グループ担当の横山慧が取材しました。(ニッカンスポーツ・コム連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)