「ライダー俳優」佐藤瑠雅(23)が“出世街道”を歩んでいる。ダブル主演を務めるTOKYO MX「彼のいる生活」(毎週木曜深夜1時05分)では、ボーイズラブ(BL)に挑戦。近年はBLドラマでブレークする俳優も多く、その波に乗りたいところだ。

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俳優デビューは若手の登竜門とも言われるライダーシリーズの「仮面ライダーギーツ」。今作は、同居をきっかけに心を通わせていく男子2人のピュアな恋愛を描くBL。ドラマ出演2作目にして、難易度高めに見える題材だが「男同士で恥ずかしいとかはなくて、仲のいい男友達とシェアハウスするみたいなニュアンスでした」とサラリ。対女性とはまた異なるラブストーリー。「『リモコンどこ?』『ご飯作るよ』とか日常会話がすごく良いんです」と軽やかに撮影を振り返り、「ライダーで学んだことを、ふんだんに使っています」と自信をのぞかせた。

原作は電子書籍では異例の大ヒットを記録した人気作品。ドラマ内ではキスシーンにも挑戦。「紙面じゃ表現できない、目線の動きや表情の変化がぼくにできることだなと思って演じました」。原作の空気感も守りつつ、こだわりを持って演じ抜いた。

歌手としてのソロデビューも控える。同ドラマの挿入歌でデビュー曲「クチナシ」(15日配信)で作詞に初挑戦。タイトル名はドラマのストーリーともリンク。「作品も4月から夏くらいまでを描いていて、役の感情が動くのが梅雨の時期。クチナシは、その時期に物陰に咲く強い花」と裏設定に意図を込めた。「聞き手によっては全く違う解釈になる歌詞。いろんな所で聞いてもらえるような歌詞にしています」と呼びかけている。

4月17日にはファースト写真集「新路-SHINRO-」(幻冬舎)を発売。「親しみのある場所を振り返って、この先の新しい道を初心に戻って歩きたいなと思ったので」と、地元の千葉県内で撮影。学生時代を再現するかのように、当時のアルバイト先だった飲食店の厨房(ちゅうぼう)に立つカットも収録。私物の胴着を着て、黒帯の腕前を持つ空手姿も披露しており、ルーツに触れた“聖地巡礼”の1冊となった。

デビューから2年。歌手、俳優として精力的な活動が続く。「この業界に入るなら音楽はやりたかったこと。できるのであれば両方に軸を置いて頑張っていきたいと思います」。自ら勢いを生んでいく。【望月千草】

◆佐藤瑠雅(さとう・りゅうが)2001年(平13)4月17日、千葉県生まれ。21年、友達の勧めでダンス&ボーカルグループのオーディション番組に参加し、芸能界入り。22年テレビ朝日系「仮面ライダーギーツ」で俳優デビュー。特技は人前で歌うこと。空手は黒帯初段。180センチ、血液型B。