覚せい剤使用などで執行猶予付きの有罪判決が確定した歌手ASKA(57)に合成麻薬MDMAと覚せい剤を譲渡したとして、麻薬取締法違反(営利目的譲渡)の罪などに問われた暴力団幹部安成貴彦被告(47)の第6回公判が31日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役8年と罰金200万円、追徴金約150万円を求刑した。

 この日は、弁護側による被告人質問が行われ、相互による最終弁論が行われた。検察側は、犯行当日の被告人の通話記録や、共謀したとされる柳生雅由被告の証言などから証拠が十分と判断。有罪を主張した。

 一方弁護側は、安成被告に薬物の入手ルートがないこと。金銭授受の証拠がないこと。第4回、第5回で証人出廷した柳生被告とASKA被告の証言に一部食い違いがあることなどを理由に、無罪を主張した。

 安成被告も最終陳述で、「今回の事件は、私が暴力団員であることで有罪ありきの逮捕。彼ら(柳生被告とASKA)の証言もすりあわされたもの。彼らの作られた証言で、具体的な証拠もない。私は薬物を渡していないし、お金を受け取ってもいない」とあらためて無罪を訴えた。

 判決は5月19日。