東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島県双葉郡の人材育成を目指し、今日8日、まず高校が開校する「ふたば未来学園」(同県広野町)の校歌が7日、復興庁で発表された。シンプルな歌詞と、温かいメロディーが耳に残る歌だ。

 プロデュースを手がけた秋元康氏に作曲を依頼された、クリエーティブディレクター箭内(やない)道彦氏が、詩人の谷川俊太郎さんに作詞をオファー。箭内氏によると、自身が通った小学校の100周年記念歌を作った谷川さんに思い入れがあったという。「多様性をやさしく包み、自分と違うものを認め合う内容に」と思いを伝えると、震災4年の先月11日朝、谷川さんから詞が届いたという。同席した小泉進次郎復興政務官は「歌詞のひと言ひと言をかみしめることが、救いになる」と話した。

 かつて福島県立双葉高校野球部は、甲子園に3度出場した。箭内氏は、ふたば未来学園が甲子園に出場した姿を想定し、「ブラスバンドが演奏しやすいことも考えて作曲した」と明かした。

<ふたば未来学園の歌>

 作詩 谷川俊太郎氏

 作曲 箭内道彦氏

 プロデュース 秋元康氏

 1 学ぶ覚える身につける 腑に落ちるまで考える 深くて広い心と体 未来に向かうこの自分 すこやかに しなやかに

 2 地球に生きる人はみな 違うからこそ面白い 遠くて近い私とあなた 自分を生かすそれぞれに なごやかに たくましく

 3 この故郷に根を張って 目指す世界は限りない 色とりどりの自然と文化 支え合ういのちといのち のびやかに おおらかに