映画「日本のいちばん長い日」(原田真人監督、8日公開)の外国人特派員向け記者会見が3日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われ、俳優役所広司(59)原田監督が出席した。

 敗戦濃厚の第2次大戦を昭和天皇の「聖断」によって終わらせるまで、政府が右往左往する24時間を描いた。決断までの、当時の政府の優柔不断ぶりを記者から指摘されると、原田監督は「安倍政権を見ていても分かる通り、日本の国民性です。何度、会議やっても決まらない。今の国立競技場の問題を見てもそう。今も同じようなことが起きている」と、安倍政権を皮肉った。

 この日は10の国・地域から150人の海外特派員が集まり、映画を鑑賞した。日本では最終的に300館を超える大規模公開となり、既に香港でも上映が決まっている。役所は「戦争を始めるのは簡単だけど、終わらせるのは難しいというシンプルなメッセージが込められている。海外の人も受け止めてもらえるのでは」と海外での反応に期待した。

 原田監督も「海外に持って行きたい。海外の反応も見たい。9月ぐらいからアプライ(申し込み)していくけど、僕自身も出掛けて行く」と、海外映画祭での上映も目指していくことを明らかにした。