米国時間の28日に米ABCテレビで生放送された第88回アカデミー賞授賞式の視聴率が、過去8年間で最低の数字を記録したことがわかった。

 米視聴率調査会社ニールセンによると、今年の平均視聴者数は3430万人で、昨年の3660万人を6%下回り、2年前よりも16%下回ったという。今年以前の最低視聴率は2008年の3200万人となっており、アカデミー賞授賞式の視聴率は7年連続で下降し続けているという。

 米映画業界誌バラエティなどよると、ニールセンは米国時間の29日今夜までに総視聴者数を集計する予定だが、最終的にはおよそ3400万人ほどに留まると見られている。アカデミー賞授賞式は近年、視聴率がダウンし続けてはいるものの、スポーツ番組を除き、1年で最も視聴率の高い番組であることは間違いない。

 白人偏重主義が議論の的となり、大物俳優のウィル・スミスらがボイコットするなど、注目を集めた今年のアカデミー賞だが、果たしてこの問題が視聴率に影響したのかどうかは明らかでない。司会を務めた黒人コメディアンのクリス・ロックが、冒頭のモノローグで容赦なくこの問題に切り込むなど、巧みな司会ぶりが好評を得た。(ニューヨーク=鹿目直子)