石原プロモーション所属の俳優池田努(37)が画家デビューし、このほど、日刊スポーツの取材に応じた。池田は東京・九段の成山画廊で開催中の展示会「NAKED MEN 1876-2016」(29日まで)で6作品を出している。4年前にニューヨークのアート展に出品したことはあるが、今回は販売もされる。すでに売れた作品もあり、堂々のプロ画家入りだ。

 池田は、俳優になる前は画家志望で、多摩美大絵画科で学んだ経験を持つ。芸能界入りして同大を中退、絵画から離れた時期もあったが、「絵を描きたい衝動を持ち続けながらの俳優活動だった」と明かした。

 絵画制作を再開したのは5年ほど前。テレビ番組で作品を披露することもあり、緻密で繊細な作品が評判だった。そのころ、先輩俳優舘ひろしの還暦祝いに、サプライズで似顔絵をプレゼントしたこともあるそう。アートが好きな舘にも「お前が描いたのか!?」と驚嘆された。1年半前に成山画廊の成山明光氏との出会いがあり、展示に至った。

 6作品中、5作品が水彩の点描で、1作品は油絵。点描は0・03ミリのペン先で、膨大な点を打った。どの作品も幻想的で、心の中を表現した。池田は「演技の勉強をする中、役を掘り下げる過程で生まれてきた風景やイメージ。ある意味すべて自画像」と話す。

 今後は俳優と絵、両立を目指す。「両方ともどうしても自分に必要。どちらかに決めないのもあり」。今月半ばには事務所側にも、両立することを宣言した。目標とする個展開催のため、新たな絵画制作に取り掛かると同時に、ミュージカルなど舞台で活躍するためのレッスンも積んでいる。池田は「苦しい方が好き」と、好きなもの2つに取り組む喜びを感じている。【小林千穂】

 ◆池田努(いけだ・つとむ)1978年(昭53)12月17日、横浜市生まれ。小学生の時の夢は漫画家で、友人と交換日記ならぬ、交換漫画をしていた。00年オーディション「21世紀の石原裕次郎を探せ!」で芸能界入り。07年から1年間、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノも学んだニューヨーク俳優養成所アクターズスタジオで演技を学ぶ。12年、同スタジオの記念公演で主演。今年は舞台「スーベニア SOUVENIR~騒音の歌姫」、映画「さらば あぶない刑事」など出演。180センチ。