歌舞伎俳優、市川染五郎主演の新作歌舞伎「獅子王 SHI-SHI-O」が3日、米ネバダ州ラスベガスの劇場で初めて公開され、染五郎ら出演者は力強い演技で観客を魅了した。

 作品は、獅子が子獅子を石橋から突き落としてはい上がるのを見守る「石橋」の物語を基に、コミカルな立ち回りや最新の映像技術を駆使した演出を組み合わせた。

 染五郎はげたでタップダンスを披露したり、人気歌手マイケル・ジャクソンさんのお面を付けてムーンウオークを行ったりするなどラスベガスらしい要素も盛り込んで観客を沸かせた。

 カリフォルニア州の大学生アリソン・ベルカウィッツさん(30)は「素晴らしかった。特殊映像技術や、水を使った演出も楽しめた」と興奮した様子。カナダから訪れ夫婦で鑑賞したピエール・パリジエさん(61)は「物語は理解できない部分もあったが衣装や動き、音響効果などが本当に良かった」と話した。

 松竹が主催する「ジャパンカブキフェスティバル イン ラスベガス2016」の一環で、公演は7日まで。ウオータースクリーンに源平の合戦の映像を映すショーなども行われている。