今年1月に解散危機があった国民的アイドルグループSMAPについて、ジャニー喜多川ジャニーズ事務所社長(84)がこのほど、解散をきっぱりと否定した。今年1月の騒動後、SMAPの去就について事務所幹部が言及したのは初めて。さらに、騒動当時は自身が入院していたことも明らかにし、デビュー25周年記念のコンサートなども、積極的に行うべきだと主張した。一部でメンバー間のすれ違いも指摘される点については、長年の絆の強さを強調。社長自らの発言によって、解散騒動にもピリオドが打たれそうだ。

 SMAPについて切り出したのは、取材陣ではなくジャニー氏からだった。このほど行われた、ジャニーズJr平野紫耀(ひらの・しょう=19)の取材会に同席。やりとりが一段落した後だった。

 「この場所は、別の取材の機会だけど、記者さんが絶対聞きたいと思うのは、『SMAPはどうなるの?』ってことだと思う」

 同席した関係者らがざわつく中で、さらに続けた。

 「僕は、命にかけても…。SMAPは、わが子と同じですから。彼らは僕に相談なしで、とかくするはず、絶対ないです。心配は、全然ないです。解散なんて冗談じゃない」

 力強く、こう、言い切った。

 騒動の発端は昨年1月、ジャニーズ事務所の藤島メリー泰子副社長が「週刊文春」の取材を受け、SMAPを長年担当した女性マネジメント室長を「おやめなさい」などと叱責(しっせき)したことだった。その後女性マネジメント室長がSMAPを引き連れての独立を計画し、昨年末までに中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の4人は独立を、木村拓哉は事務所残留を決意。今年1月13日に、日刊スポーツなどの報道で表面化した。

 報道時を振り返り、ジャニー氏は「入院していた。大きな病気とかではなく、もう84ですし、年からくるもの」と明かした。その後、SMAPのメンバーと会って、話す機会があったという。「1回くらい会いました。『頑張れよ』『頑張ろうよ』っていう話はしました」。同18日にはフジテレビ系「SMAP×SMAP」でメンバーたちが生放送でコメントした際、草なぎが「木村くんが、ジャニーさんに謝る機会を作ってくれて」などと明かしていた。

 一部ではメンバー間のすれ違いや、木村と中居の深い溝を指摘する声もある。修復不可能との見方もあるが、ジャニー氏は解散、分裂を否定した。その根拠として、「小学校のころからやっていて、向こうも(ジャニー氏を)親と同じように思っている」と、絆の強さを強調した。「彼らが僕を信じている以上に、僕も彼らを全面的に信じていますから。ピンからキリまで、うそをついていたって、何をしたって、すぐ分かっているんですよ。何かあれば、こっちに来ますよ。もともと、そんな(解散の)気持ちは毛頭ないですよ。みんな含めて」と断言した。

 事務所との契約更新時期は今年9月。一部では更新がないのではとする指摘もあるが、「(更新しないことは)ないですね。あり得ない」ときっぱり。一方で、デビュー25周年を迎えることを受けて「(コンサートなどを)盛大にやるべきだと思う。萎縮したり、周りに遠慮したりする必要はない。彼らは『俺たちはいいよ』って言うかもしれないけど」とほほえんだ。

 騒動から約100日が経過し、初めて口を開いた「父親」の言葉は、自信に満ちていた。

<SMAP解散騒動の経過>

 ▼15年1月 藤島メリー泰子副社長が「週刊文春」で、SMAP担当の女性マネジメント室長に「事務所をおやめなさい」と叱責(しっせき)。

 ▼同年夏 女性マネジメント室長がSMAPを引き連れた独立を計画。

 ▼同11月 中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が独立を決断、木村拓哉は12月に事務所残留を決意。

 ▼16年1月12日 女性マネジメント室長が、事務所関連会社の取締役を辞任。

 ▼同13日 日刊スポーツなどの報道で、グループ解散とメンバーの独立が表面化。事務所が協議中であることを認めた。

 ▼同14日 草なぎ剛がドラマPRでテレビ朝日系情報番組に出演も騒動に触れず。中居正広がダウンタウン松本人志と極秘接触。

 ▼同15日 騒動発覚後に収録のTOKYO FM「木村拓哉のWhat’s UP SMAP!」放送。「いつか自分の言葉で話せる時がきたら、お話しさせていただきたい」。

 ▼同17日 木村が主演映画の撮影を京都で終え、現場で藤島ジュリー景子副社長と接触。

 ▼同18日 フジテレビ系「SMAP×SMAP」の一部内容を変更してメンバー5人が生出演し、騒動についてコメント。グループ存続を表明。

 ▼同21日 都内のフジテレビスタジオで「SMAP×SMAP」収録。SMAPを励まそうと、近藤真彦の発案で食事会が開催され、東山紀之や嵐まで、SMAPと年齢的に近いタレントが集結。

※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀