女優観月ありさ(39)が、25年続けて連続ドラマの主演を務めることが6日までに分かった。NHK-BSプレミアムで9月4日にスタートする「隠れ菊」(日曜午後10時予定、全8回)で、故連城三紀彦さんの柴田錬三郎賞受賞の同名小説が原作。初めて不倫が主要テーマの1つになることに、「(年齢によって)求められる役柄が変わる」と新境地を切り開く覚悟を語った。

 「連続で(主演)25年という節目だし、今年の誕生日(12月)で40代を迎えるので新境地に挑戦します」。このほど、都内でインタビューに応じた観月は、前人未到の「25年連続で連ドラ主演」という偉業達成に満足そうな笑みを見せた。

 作品は平凡な主婦(観月)が突然、離婚を突きつけられ、元夫やその愛人と仕事のパートナーとして働きながら、女将(おかみ)として生き抜く波瀾(はらん)万丈のストーリー。「10代から20代、そして30代にかけては、勝ち気な性格や威勢の良い役が多かった。でも40代になるにあたっては、求められる役柄も変わっていくと思うんです」。 今回は初めて不倫が物語の柱の1つになる。「男女のドロドロ劇は2時間ドラマではあったけど、連ドラではやっていなかった。でも、これからは不倫や離婚というテーマや役柄が増えていくと思う」と、演じる幅が広がる期待感を口にした。

 充実した女優生活を支えているのが、昨年3月に結婚した建築関連会社社長・青山光司氏(43)の存在だ。ドラマとは正反対に、夫婦仲は円満そのものという。「結婚をしてから、仕事でも『よし、頑張ろう』という気持ちに一層なれた。夫も自分の背中を押してくれるし、助言をしてくれることもある。ドラマのような不倫はおきて欲しくないし、考えただけでぞっとしますね」。

 役の上では、離婚後も元夫と仕事上の関係を持つが「私だったら仲良くなんてできない。会いたくもないしね~」と豪快に笑った。子作りについても聞いてみた。「これは授かりものなので…」としながらも、「子どもを産むタイミングもあると思うので考えていきたい」と“妊活”への意欲も明かした。

 収録は既にスタート。結婚から1年数カ月が過ぎ、公私にわたって順調な“連ドラの女王”の新たな挑戦に注目だ。【松本久】

 ◆観月(みづき)ありさ 1976年(昭51)12月5日、東京都生まれ。4歳でモデルデビュー。91年5月「伝説の少女」で歌手デビューし、同年の日本レコード大賞新人賞受賞。女優としては同年11月「超少女REIKO」で映画初主演。連続ドラマは、92年にフジテレビ系「放課後」で初主演。以来、25年連続主演の自己記録を更新中。04年に日本アカデミー賞優秀主演女優賞。170センチ。血液型A。

 ◆隠れ菊 90年代後半の静岡・浜松市の料理屋「花ずみ」を舞台に繰り広げられるサスペンスフルドラマ。平凡な主婦として生活してきた上島通子(観月ありさ)の前に突然、夫の愛人が登場。その後、離婚をした夫を含めた3人の人間模様と駆け引きが展開していく。