建築士が「匠(たくみ)」として出演し家屋を改修するテレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」で追加工事費が膨らみ、代金が未払いだとして、工事を担当した愛知県の建設会社が26日、番組を放送した大阪市の朝日放送や東京都の番組制作会社、名古屋市の建築設計会社などに約2900万円の損害賠償を求め名古屋地裁に提訴した。

 訴状によると、改修したのは2014年7月に放送された岐阜市の住宅。当初の改修費は約2200万円の予定だったが、建築士や制作会社から追加工事を指示され、さらに約2700万円増えた。制作会社と交わした覚書では、予算を超える恐れが生じた場合、制作会社や施主と話し合うことになっていたが、協議の場は設けられず、追加費用も支払われていないとしている。

 建設会社社長(54)は「番組ではリフォーム予算が2500万円と表示されたが事実と異なる。視聴者をだましている」と主張。放送倫理・番組向上機構(BPO)にも申し立てる意向を示した。

 朝日放送は「追加工事の多くは建設会社の現場管理に問題があったためで、金額の根拠にも疑義がある。裁判の中で主張を説明していく方針だ」とのコメントを出した。