日本テレビ系「行列のできる法律相談所」などに出演する大渕愛子弁護士(38)が2日、東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受けた。理由は、日本司法支援センター(法テラス)の代理援助制度を利用した依頼人の女性から、報酬を不当に受け取ったというもの。同弁護士は都内で記者会見し「心よりおわびする。私の認識不足が全て」と謝罪した。

 東京弁護士会によると、大渕弁護士は10年10月に女性から養育費請求の依頼を受任。その後、女性は弁護士への報酬支払いについて法テラスの援助制度を利用した。法テラスの規定では、弁護士が依頼人から直接報酬を受け取ることはできないが、大渕弁護士は法テラスからの12万5000円のほかに、受任時に約束した着手金の不足分や顧問料として、女性から17万8500円を受領した。

 女性が11年6月に返金を求めたが大渕弁護士は拒絶。同10月に弁護士会役員の説得に応じて返金した。

 大渕弁護士は会見で、法テラスの規定を認識していなかったとし、「10年1月の独立まで中国関係の仕事をし国内事件を扱ったことがなかった。法テラスを初めて利用し(規定を)調べたつもりが気づけなかった」と釈明した。一方、所属する芸能事務所の顧問弁護士の橋下徹氏から「不当に重い。異議申し立てを出すべきだ」と言われたことを明かし手続きの可能性も示唆した。

 芸能活動については向こう1カ月は自粛するという。「行列のできる-」は7日放送分から、TBS系「白熱ライブ ビビット」など他のレギュラー番組の出演も見合わせる。復帰は未定。現在妊娠6カ月で、夫の俳優金山一彦(48)からは「今後の弁護士活動に生かし一層、頑張りなさい」と言われたという。

 ◆大渕愛子(おおぶち・あいこ)1977年(昭52)8月12日、東京都生まれ。中大法学部在学中の99年に司法試験に合格。01年に東京弁護士会に登録。10年に独立し、11年から「行列のできる法律相談所」レギュラーとなるなど、多くのテレビ番組出演。ふなっしーファンとして知られる。