俳優岡田将生(27)と女優木村文乃(29)が、映画「伊藤くんAtoE」(広木隆一監督、18年春公開予定)にダブル主演することが30日、分かった。

 柚木麻子氏の同名の小説が原作。岡田は4人の女性を振り回すプレーボーイ、通称「痛男(いたお)」を、木村は外面は良いが、本性はドス黒い通称「毒女(どくじょ)」をそれぞれ演じる。性悪な男女が対決する物語だ。

 柚木氏の小説で、あまりのクズっぷりに女性読者たちの話題になっていた伊藤誠二郎役を、嫌みな男をやらせると若手では当代一の岡田が演じる。振り返れば、11年に日本アカデミー賞助演男優賞を受賞したのも、映画「悪人」と「告白」で、軽薄な軟弱男と空気の読めないバカな男を好演したからだった。

 そんな経験を持つ岡田にしても「伊藤には共感は一切できず反感しかなかったです。一言で言うとクズみたいな男。本当にモンスターだなぁと思ってます」という、最悪な役柄だ。だからこそ「今まで培ってきたものを全て集約させて伊藤くんと心中する覚悟で臨みます」と約束した。7年前の映画「雷桜」でも起用した広木監督は「岡田君は最近役の幅がどんどん広がっていくようで、どんな芝居をしてくれるのか楽しみ」と期待している。

 プライドの高い表裏のある毒女の元人気脚本家役も、広木監督が「世間のイメージとギャップのある、腹黒くしたたかな木村文乃が見たい」とキャスティングした。木村は「こんなにもリアルで、痛くて、知りたくなかった“女であること”を思い知らされる作品はほかにはないと思います。初共演の岡田さんと忘れられない作品にできるよう日々を積み重ねたい」と話している。

 撮影は7月にスタート。