来年5月10日に東京公演千秋楽を迎える「黒豹(くろひょう)の如(ごと)く」「Dear

 DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き-」で退団を発表した宝塚歌劇団、星組トップスター柚希礼音が20日、大阪市内で記者会見を開いた。トップの退団会見では異例、感謝の涙で声を詰まらせる場面もあった。

 「本当に幸せでした。すごくファンの方や、皆様方への感謝にあふれた(トップの)日々でした。最後まで、皆様方へ感謝をお返ししたい」

 09年4月27日にトップに就いた柚希は、在位6年13日の見込みで、平成以降のトップでは和央ようか(00年5月8日~06年7月2日)に次ぐ、長期だった。6年もの長い間、柚希を支え続けたのは、組子、スタッフとともに、ファンの存在が大きかった。

 「つねに進化し続けないと、ファンはついてきてくれない」。圧倒的な存在感、卓越したダンス、舞台映えする恵まれた体格で早くから注目された柚希だったが、歌だけは苦手だった。かつて「2番手時代にも歌を外されたことがある」と話したことがある。逆境をバネにトップに就いてからも歌唱法を考え、努力し、得意のダンスも「より男役らしいダンスを」と武器さえも磨き続けてきた。

 すべてが「ファンへ感謝の倍返し」から来る思いだった。それゆえ、ファンへのメッセージを聞かれた瞬間、柚希は涙声になり、言葉を詰まらせた。

 「ほんとに、ファンの皆様に愛をいっぱいいただいて…(涙)日々、努めて来られたので…(涙)いっぱいいただいた愛を、最後まで、何倍にもしてお返ししたい」

 涙こそ流さなかったが、目を潤ませて涙声。トップの退団会見では、異例のことで、涙と笑顔が入り交じった素直な表情で、柚希は率直に、ストレートにファンへの感謝を口にした。

 6年のトップ生活には「しんどい時期もありました。長かったけど、今思えばあっという間。100周年に向かい、そろそろ(退団)かなと考え始めました」。今年1月には「眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯に」で、100周年の本拠地幕開け作に主演し、劇団からの期待も受けて、100周年の顔の1人として引っ張ってきた。

 100周年イヤーも終盤に向かい、退団を意識し始め、18日に兵庫・宝塚大劇場で「ミュージカル

 The

 Lost

 Glory-美しき幻影-」「ラテン・グルーヴ

 パッショネイト宝塚!」(東京宝塚劇場は9月5日~10月5日)千秋楽を迎え、同日に組子に退団を告げた。

 「組子のみんなも本当に楽しそうにしているので」今が引き際と確認したという。

 柚希は「-美しき幻影-」の東京公演の後、11月22~23日には、真矢みき以来劇団2人目の日本武道館公演を予定。サヨナラ公演となる「黒豹(くろひょう)の如(ごと)く」「Dear

 DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き」は来年2月6日に兵庫・宝塚大劇場で開幕。同3月には初のディナーショーも控えている。