俳優金児憲史(33)が1月31日、音楽劇「カラミティ・ジェーン」(2月4~11日、東京・ル・テアトル銀座など)初日を前に、主演の湖月わたる(40)と所属の石原プロモーション創始者・故石原裕次郎さん(享年52)の仏前に成功を誓った。デビュー12年で映画、テレビ含め初の準主役を演じるにあたり、日劇ダンシングチーム出身の石原まき子夫人から舞台演技の直接指導も受け「頑張ってください

 台詞をしっかり」と書かれた直筆の色紙で激励された。

 金児は裕次郎さんの仏前に、静かに手を合わせた。金児が石原プロ入りする13年前の87年に裕次郎さんはこの世を去ったが、渡哲也(70)舘ひろし(61)神田正輝(61)から人となりを聞き、石原軍団の魂、組織の規律を重んじる生き方を厳しくたたき込まれた。そんな金児の耳には、裕次郎さんの声が聞こえていた。

 金児

 「うまくやろうとするな。好きなようにやれ」と。自分の気持ちに正直に、好きにやることができたらいいんじゃないか。

 2度目の舞台となる今回は、金児にとって俳優人生最大の大舞台だ。まき子夫人からは「私はダンスの世界で、振りを間違えないようにした。セリフがあるから、しっかりと間違えないように。おなかの底から、しっかり力を入れて、あとは強弱でバランスを取って」とアドバイスを受けた。

 舘からは石原プロ直伝の迫力ある銃さばきを学び、劇中で子守歌を歌うシーンでは「舘さんの『泣かないで』を歌います」と約束した。“家族”と言い切る石原プロへの感謝を胸に、金児が役者人生をかけて大舞台に挑む。【村上幸将】

 ◆金児憲史(かねこ・のりひと)1978年(昭53)9月14日、広島県生まれ。広島修道大4年時の00年、オーディション「21世紀の裕次郎を探せ!」で、5万2005人の中から最終選考の10人に残り石原プロモーション入り。同年12月のテレビ朝日系ドラマ「はみだし刑事情熱系」で俳優デビュー。昨年は映画「日輪の遺産」、TBSドラマ「帰郷」などに出演。趣味はピアノとギター。特技は空手と居合で、ともに3段。188センチ、80キロ、また下88センチ。血液型B。