V6森田剛(33)が大悪党を演じることが29日、分かった。「劇団☆新感線」のいのうえひでのり氏が演出する舞台「鉈(なた)切り丸」(10月=大阪・オリックス劇場、11月=東京・渋谷の東急シアターオーブ)に主演する。シェークスピアの名作「リチャード三世」を源平合戦に置き換えた作品で、悪事の限りを尽くして駆け上がるが、一瞬で転落し、破滅する源範頼を演じる。

 リチャード三世は悪党の代名詞といえる役で多くの名優が演じてきた。翻案となる今回も範頼は源頼朝の弟に生まれながら、姿みにくく、馬にさえ乗れない男として描かれる。いのうえ氏は「『リチャード三世』はものすごい極悪人だが、切なさの中に愛嬌(あいきょう)や憎めないところがないといけない。それを演じられる役者はなかなかいない。役者を探している中で、ここ数年、森田の舞台を見てきて、一昨年の『金閣寺』の演技を見て森田なら成立すると思った。源範頼イコール鉈切り丸に適役です」と自信をみせる。

 森田といのうえ氏のタッグは05年「荒神~Arajinn」、08年「IZO」に続く3度目。脚本担当の青木豪氏とは「IZO」以来2度目となる。森田は「今回の役どころは、天涯孤独の大悪漢に挑戦するので、新たなチャレンジとなる舞台になりそうです。しっかり稽古を積んで、新しい『森田剛』をお見せしたい」と意欲を示している。共演者は後日発表する。