昨年1月に創立50周年を迎えた石原プロが、「石原裕次郎・渡哲也

 石原プロモーション50年史」を制作した。その過程で集めた資料の中から幻の社歌「太陽と星たちの賛歌」が発掘された。舘ひろし(63)が歌った楽曲の無料配信や、往年の日活スター参加のCD化構想もあるという。

 50年史を制作した石原プロに、天から裕次郎さんの贈り物が届いた。制作中だった昨年8月、石原邸2階の資料室から手書きの歌詞と譜面が発見された。タイトルは「太陽と星たちの賛歌」。裕次郎さんが36年前、なかにし礼氏に作詞、羽田健太郎氏に作曲を依頼したもので、まき子夫人も発見に驚いたという。

 関係者によると、裕次郎さんは田中角栄元首相らが愛用した赤坂の料亭「千代新」になかにし氏を呼び「上座に座れ」と言い、社歌と「西部警察」のエンディング「みんな誰かを愛してる」の作詞を依頼。同関係者は「裕次郎さんは自分が歌うつもりで制作を依頼したのではないか」と推測するが78年に舌がんにかかるなどしてかなわなかった。

 同プロは最近、裕次郎さん没後25年の12年8月に裕次郎さんのカバーアルバムをリリースし、同年の紅白歌合戦に出演した実績を持つ舘に歌唱を依頼。なかにし氏のアドバイスも受け、舘中心の男性5人コーラスでレコーディングし、裕次郎さんの命日の7月17日前後に同プロ公式サイトから期間限定無料配信することを決めた。

 舘は「裕次郎さんからの贈りもの。社員、仲間への激励と石原さんの魂の叫びだと感じました」と語った。今後(1)裕次郎さんと同時代に活躍した日活スター(2)裕次郎さんが所属したテイチクの歌手(3)渡ら石原プロ所属俳優らで日本版「ウィーアーザワールド」のようなものを作り、CD化したいという。

 また幻の映画も日活の倉庫から発掘された。70年に公開され、当時石原プロ取締役兼所属女優の浅丘ルリ子が主演した映画「愛の化石」だ。同プロ製作で裕次郎さん以外の俳優が主演した唯一の映画で公開後、フィルムが散逸していたが、昨年10月に原盤が見つかった。今後、初のパッケージ化も予定しているという。