悲願の再出発だ。コンピューター将棋ソフトの不正使用疑惑が晴れたプロ棋士の三浦弘行9段(43)が13日、約4カ月ぶりに復帰戦に臨んだ。東京・渋谷区の将棋会館で、竜王戦1回戦に出場。羽生善治3冠(46)相手に、互いに5時間の持ち時間を使い切る接戦となったが、131手で敗れた。対局前には自ら金属探知機などを使ったボディーチェックを要望。羽生3冠とチェックを受けた。一連の騒動から「早く元通りに」と願っていた三浦9段が、大熱戦で新たなスタートを切った。

 将棋盤の前では勝負師に戻っていた。昨年10月3日のA級順位戦以来約4カ月ぶりの対局で、第一人者の羽生3冠を相手に131手の大熱戦。それでも三浦9段は、報道陣から復帰戦の感触を聞かれると「見落としも多かった。勝ちがあるなら見つけなければいけなかった」と、反省の言葉ばかりを口にした。羽生3冠に「最後までぎりぎりだった。新しい将棋で、ずっと対応に苦労させられた」と言われても、笑顔はない。復帰した喜びや、安堵(あんど)の表情は見せなかった。

 自ら身の潔白を証明するために挑んだ1局だ。対局前、関係者に自らボディーチェックを要望した。これに羽生3冠も「では私も」と対応。2人とも金属探知機や目視で、体、かばんの中身を確認された。対局を控えた7日の会見で、三浦9段は「自分だけでもボディーチェックを」と公言していたが、騒動以来の負のイメージを振り払うため、迷いなく実行した。