新関脇の貴景勝(22=千賀ノ浦)が通算200勝と勝ち越しに王手をかけた。鋭い出足で下から押し上げ、上体が伸びた錦木を一方的に押し出した。ほぼ完璧な内容にも「ぼちぼちです」と、慢心を一切見せなかった。

後半戦を快調に滑り出したが、今場所の星勘定には慎重な姿勢。「小結の7勝2敗と、関脇の7勝2敗は全く違う」。小結だった先場所までは序盤に横綱、大関戦が組み込まれていた。今場所は10日目の高安戦を皮切りに、上位陣に挑む。「ここからが大事。より研ぎ澄まされたものを取組に持っていきたい」と、ギアを上げていくつもりだ。無敗の横綱白鵬とは2差。優勝戦線に残るが「優勝争いの資格はない。そう簡単にうまくいくはずがない」と、失速に期待しない。「自分の相撲を取ることだけ考えてます」と強調した。