J1に復帰する清水が13日、静岡市内で新体制発表記者会見を行った。だが、エースFW大前元紀(27)が大宮に完全移籍した理由を聞く質問が飛び、左伴繁雄社長(61)が説明する事態になった。

 新加入選手の紹介を終え、質疑応答に入ると「大前」の名前が飛び交った。報道陣は、清水サポーターの思いを込めて、大前の移籍理由を聞いた。そして、左伴社長が答えた。

 左伴社長 (昨年)11月29日に1回目の契約更改をして、残留は当然と思っていました。12月23日に大宮からオファーが来て、全力で慰留しましたが、本人は『裸一貫でもう1回やってみたい』と。涙ぐみながら、『静岡も清水も好きだ』と話してくれた。1月7日に会って話して、もう仕方ないなと思いました。

 昨季チーム2位の18得点を記録した大前が抜けた穴は大きい。それでも、FWを補強していない現状についての質問も飛んだ。小林伸二監督(56)は「コレクティブ(集団的な)を追求して、若手の伸びをうながしながら、みんなで穴を埋めたい」と説明。この日、左伴社長が発表した今季の目標「1ケタ順位」に関しては、「15勝、勝ち点50は取らなくちゃいけない。前半戦から力を出していきたい」と話した。

 会見では、大前に代わってFW白崎凌兵(23)が背番号「10」を着けることも発表。会見後には広島から期限付き移籍で新加入のMF野津田岳人(22)が驚きを口にした。「いかに(大前の)存在がすごかったかを感じました。自分もこういう存在になれるように、やっていきたいです。2ケタゴールを目指したい。ゴールに直結するプレーをしたいです」。

 この日、登壇したのは4選手だが、小林監督はボランチとセンターバックができる外国人選手が来日し、メディカルチェックを行っていると発表。さらに「FWも引き続き(選手を)追っていく。(別の)大型のボランチも、海外でチェックしている」と明かした。【保坂恭子】