新潟のMF小泉慶(21)が司令塔の座をしっかりと受け継いだ。高知でキャンプ中の新潟は12日、J2愛媛、J3富山と練習試合を行った。愛媛戦では小泉が今季初得点を挙げ一時同点にした。昨季までの司令塔、MFレオ・シルバ(31=鹿島)から背番号8を譲り受け、チームのけん引役になる決意をプレーで示した。試合は1-2で愛媛に敗れた。富山戦は2-0で快勝した。

 豪快な一撃でMF小泉は存在感を示した。愛媛戦、0-1の後半9分。中央でボールをもらいドリブルを仕掛ける。相手守備を突き破るようにペナルティーエリアに入ると、ブロックをかわしながら左足でシュート。ボールがゴールマウスに収まったのを確認してゆっくりと立ち上がり、淡々とソックスを直す。

 「うまく抜けられたので、思いきり足を振り抜いた」。これが今季の練習試合での初得点。シュートを打つこと自体も初めてだった。ハーフタイムに三浦文丈監督(46)から指示された。「前が空いていたら仕掛けて行け」。目の前のスペースを見逃さなかった。「集中してやれた」。今季初めて90分間フル出場し、初シュートで初得点。個人的な手ごたえは十分にあった。

 今季鹿島に移籍したレオ・シルバの後継者になるという自負がある。13年から16年まで在籍し、絶対的司令塔だった。小泉は14年に新潟入りした新人のときから手本にし、アドバイスを受けてきた。

 鹿島移籍が内定していたときにレオ・シルバから8番を付けることを勧められた。「レオはボールを奪うだけでなく、自分からも点を取りに行った」。昨季までの25番から8番に変わった今季、レオ・シルバ譲りの果敢なプレーを自らに課している。

 その一端は見せたが「勝てなかったのはだめ」と、反省が口を突く。今季はMF本間勲(35)とともに副主将を務める。チーム全体に目を行き届かせることも自覚している。「自分の得点は味方が前に出てボールを取った流れから。もっと全員が前に出る意識が必要」と、チームを引っ張ろうとする姿勢も先代8番から受け継いでいる。【斎藤慎一郎】