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  インタビュー<日曜日のヒーロー>
 過去のインタビューは、日刊スポーツ紙面(東京本社発行分)でもご覧になれます。
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 なお、WEB上では、紙面より1週間遅れでの公開となります。
第451回    国分太一  
2005.02.13付紙面より


タレントである前に社会人でいたい

 「理想の男は父です」。人気グループTOKIOの国分太一(30)。芸能人である以前に、1人の社会人でいたい−。その自覚が、そう語らせる。アイドルとして悩み苦しい時期も過ごしたが、全部糧にしてきた。親しみやすいキャラクターばかりに目がいきがちだが、実は、骨太で硬派な男だった。


諭された道

 全国ツアーに備えたリハーサル中のスタジオを訪ねた。エレベーターを待っていると、後ろから声を掛けられた。「どうも。今日はよろしくお願いします」。ニット帽にパーカー姿。あの、人懐こい笑顔。3階のボタンを押したのはマネジャーではなく、国分だった。スタジオを見渡して「どこで(取材を)やりましょうか? あの辺がいいですかね」。準備に追われるスタッフに「ちょっと、ここ使わせてね」と断った。

 自分のことは自分でやる。自然な身のこなしが、相手に緊張感を与えない。親近感は、ジャニーズ事務所の後輩も感じている。不思議と人が寄ってくる。

 「ご飯を食べに行くと、仕事の話になりますね。『自分たちが本当にやりたいことは、こうなんです』って。自分の経験を話します。聞いた話に自分の考えをプラスして、役立ててくれればいい。それが新しい道を進むヒントになればいいかなって」。

 理想と現実のギャップ。後輩から聞かされるたび、かつての自分を思い出すという。TOKIOのメンバーは今、バラエティー番組に引っ張りだこ。国分も音楽活動とは一線を画す、そうした番組にも意欲的に取り組んでいる。

 「最初は本当に嫌だった。音楽しかやりたくない時期で、人を笑わせるって、何だよって。反抗して髪を長く伸ばしたりしました」。

 スポーツ少年だった。姉が応募して、レッスンに顔を出すようになった。「ダンス」というスポーツに取りつかれた。音楽にも興味を持った。アイドルであり、ロックバンドでもあるTOKIOが結成されたが、結果を出せなかった。先輩のSMAPは華々しい活躍。後輩も次々デビュー。気乗りしないまま、バラエティー番組に進出した。

 ある日、事務所スタッフと話し合いの場が持たれることになった。その前日、メンバーは松岡昌宏(28)の部屋で“決起集会”を開いた。「ひるむなよ。戦場に行くようなものだから。気合入れていくぞ!」。

 そして翌日…。

 「僕らのやりたい音楽と違いますと言いました。やりたくないことやって、売れないなんて言われたら納得いかないと。理路整然とした答えが100倍ぐらいで返ってきました。撤退です(笑い)。今考えると随分なことを言ってました」。


父が泣いた

 2年後、自分を変えるきっかけが訪れた。日本テレビ「ぐるぐるナインティナイン」のレギュラー出演。現場で目にしたのは、ナインティナイン、岡村隆史(34)矢部浩之(33)の真剣な姿勢だった。

 「1つの笑いに対して、ものすごくこだわる。ほとんどしゃべれない状態の僕を使ってオチをつけてくれたり。驚きました。気配りがすごいなって。突っ張っていてもプラスにはならない。考えを変えなきゃと思いました。仕事に前向きになることは、音楽にも生かせるはずだと。バラエティーをやっている僕らを見て、音楽を好きになってくれてもいいなって思えた」。

 それから3年後。シングル「メッセージ」がオリコン初登場1位になった。デビューから7年目にして、初めてのことだった。

 昨年は、TOKIO結成10周年。全国ツアーも成功し、締めくくりの日本武道館公演では、アンコールでファンが大合唱した。ファンクラブのリーダーが手製の歌詞カードをつくり、配った。歌い終わると紙飛行機にして、ステージ上のメンバーに飛ばして届ける感動的なシーンだった。国分は、人目もはばからず大粒の涙をこぼした。

 「10周年なんて自己満足だと思っていたから、何とか喜んでもらおう、盛り上げようと思っていた。そしたら自分が感動させられちゃった。TOKIOは5人だけじゃないって。あんな最高の瞬間はなかったと本当に思います」。

 メモリアルイヤーに自分も30歳になった。記念として、初めて一人舞台にも挑戦した。企画・プロデュース・出演の3役。ダンス、歌、ピアノ演奏、コントなどをおりまぜた公演だった。後日ファンから手紙が届いた。「太一くんのご家族であろう人たちが見ていて涙を流していましたよ」。尊敬している父親に認められたことがうれしかった。

 仕事のため高校中退を決めた時、父親は烈火のごとく怒った。「社会人になるなら家を出て行け!」。父親は中学時代に両親をともに亡くした。高校には進学できなかった。それでも、小さいながら会社を経営していたが、過労がたたって入院。会社をたたんだ。息子はジャニーズ事務所には入っていたが、デビュー1年前のことだった。退院後、仕事熱心だった父親は、大きな会社から管理職として誘われ、再就職した。

 「自分が苦労した分、高校には行ってほしかったんでしょうね。だから何としても成功しなきゃと思ってました。一人舞台は、これまで身に付いたことを全部出したつもりでしたから、それを評価してくれたのはうれしかったなあ」。


妻子欲しい

 理想の男性像は父親だ。

 「多くは語らないけど、人が周りに集まってくる。その人と一緒にいると何だか居心地がいい。そういう人なんです。学生時代のサッカーや野球の仲間が今でも父のもとに集まっているんです。そんな男になりたいですね。僕にも人が寄ってくる? 僕はうわ〜としゃべりますから、まだまだです(笑い)」。

 プライベートで楽しむサッカーのチームメートはみんな、芸能界とは無縁。高校に進学せず、工務店の社長を務める中学の同級生から「中卒でもやればできるんだぞ、というシンボルがお前なんだぞ。しっかりそういう姿を見せてくれ」と激励もされた。こうしたことの積み重ねが、社会人意識を強めている。

 結婚についても自分なりに向き合っている。

 「タレントである前に1人の社会人でいたい。1人の男でいたい。結婚はしたいし、子供はほしい。プラスになることの方が多いと思う。そいつのためにも頑張ろうと思うし、子供のためにも頑張らなきゃと考えることって、男として絶対大事だと思うんです。そこで自分も一皮むけるんじゃないかな。タレントって、結婚や結婚生活について話さず隠している人も多いですが、僕は結婚したら隠せない。自分がしたいと思った時にするつもりです。いつ発表するなんてタイミングを計らないでね。そういうところが、アイドルらしくないのかな(笑い)」。

 TOKIOは11年目に入った。

 「去年はお祭りみたいな部分もあった。気を緩めちゃうと、来年、再来年に振り返った時、11年目がよくなかったからだとなるのが怖い。だから今年はとても大事。今までの積み重ねがもったいないことになっちゃいますからね」。


頼れる兄貴

 堂本剛(25) 僕をはじめ、共演者の方々やスタッフのみなさんに、やさしい気遣いを撮影終了までされていたのが、すごく印象的でした。普段から「言いにくいことがあったら、おれに言ってくれ」と言ってくださる、本当に頼れる兄貴です。今回も自然に兄弟の役ができました。太一さんがいてくださったので、本当にやさしいお芝居ができたと思います。また一緒に、やさしい作品をつくることができたらと思います。


初映画初主演

 国分とKinKI Kids堂本剛の共演映画「ファンタスティポ」が、東京グローブ座と東京・渋谷シネクイントで公開中。国分は映画初挑戦で初主演。「すごく変わった作品でしたが、事務所の方が『2人だから成立する』と。うれしかった。視野も広がりました」。2人はユニット「トラジ・ハイジ」も結成、シングル「ファンタスティポ」を発売した。


 ◆国分太一(こくぶん・たいち) 本名同じ。1974年(昭和49年)9月2日、東京都生まれ。94年TOKIOのメンバー(キーボード担当)としてシングル「LOVE YOU ONLY」でデビュー。メンバーは城島茂、山口達也、松岡昌宏、長瀬智也。日本テレビ「ザ!鉄腕!DASH!!」などに出演中。新アルバム「TOKIO ACT2」を発売し、全国ツアー中。167センチ。血液型O。


(取材・松田秀彦)

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