北朝鮮代表として東アジア大会(マカオ)を戦ってきたMF梁勇基(23)が仙台に帰ってきた。予選のマカオ戦でハットトリック、準決勝の韓国戦で1得点と北朝鮮A代表で大ブレーク。決勝で中国に敗れたが、実績を引っさげて帰国した。チームはJ1昇格へ残り5戦に勝負をかけるが、梁の存在がチームに刺激を与える。
この日の練習ではミニゲームなどに汗を流した。振り返れば「全ては自分のために」と語って出発したが、待っていたのは想像以上に厳しいものだった。まずは食生活。2週間ほとんど毎日、焼き飯を食べた。5日に1回はケチャップ味だった。生活のリズムも違う。毎朝7時の散歩、練習時間開始までギリギリまで昼寝。選手も初対面がほとんで「若い選手はあまり近寄って来ないし…」と私生活での苦しみを経験した。だが、試合での得点を機にそれが変わった。選手も気さくに話しかけてくるようになり、部屋では日本のロックを聞かせたり、日本製の携帯電話を見せたりしてコミュニケーションが取れるようになった。大会が終わると「また来いよな」と言われ、別れを告げた。
初めての代表はすべてが新鮮だった。試合前の国歌斉唱、韓国と「統一」のバッジをつけての入場行進。「感動して鳥肌が立った」と振り返った。サッカーも「身長の低い選手が、高い中国の選手に競り勝ったりするし、驚きの連続」と代表のレベルの高さを身をもって知った。
大会に集中したが、ベガルタのことが気になった。携帯電話のサイトでこまめにチェック。6日のみちのくダービーで「山形に勝ってくれてうれしかった」と現地で喜んだ。だが13日の草津戦を前にして、壮絶なポジション争いも待っている。大柴、熊谷さらに千葉と確約された場所はない。「代表で学んだことを仙台に生かしたい。国を代表してやった激しい試合は絶対、役に立つ」とレギュラーどりを宣言した。今日10日に予定されている紅白戦で暴れまわるつもりだ。帰り際に「仙台は寒いね」と笑ったが、心の中は熱い炎で燃え盛っている。【栗山尚久】
[2005/11/10/11:17 紙面から]
写真=合流した梁勇基は、ミニゲームで軽快な動きをみせる
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