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ウオッカ64年ぶり牝馬V/ダービー

日本ダービーを制したウオッカ(中央)の四位騎手は右手人さし指を突き上げる
日本ダービーを制したウオッカ(中央)の四位騎手は右手人さし指を突き上げる

<東京優駿(日本ダービー)>◇27日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳◇出走18頭

 8470頭の頂点に牝馬が立った! 紅一点のウオッカ(牝3、栗東・角居)が並み居る牡馬を一蹴し、64年ぶりの牝馬優勝を果たした。オークスの開催時期が春に移行され、牝馬の出走が激減した53年以降では初の快挙。2着アサクサキングスに3馬身差をつける快勝で、3歳世代における傑出した能力をアピールした。今後は、ディープインパクトも勝てなかった凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、10月7日=ロンシャン競馬場)制覇を目指して調整される。

 勝利の女神も、府中の魔物も酔わせた。残り150メートル。坂を駆け上がって先頭に立ったウオッカが、17頭の牡馬を引き連れゴールを目指す。直線を向いたところでは8番手。そこから前の7頭を一気に抜き去っていた。上がり3ハロン33秒0の鋭い切れ味に、並み居るライバルはなすすべもない。手綱を取った四位洋文騎手(34)が高々と右手を天に向けた瞬間、64年ぶりとなる牝馬のダービー制覇が成し遂げられた。

 2着につけた着差は3馬身。胸のすくようなワンサイドゲームに、場内を埋めた13万人も酔いしれた。四位は目を潤ませながらも笑顔を見せた。「(1番人気の)フサイチホウオーは見えていたが、マークしてどうこうとは考えなかった。最初の800メートル、どれだけニュートラルで走れるか。そこから徐々にギアを上げていければ」。まさに、イメージ通りの騎乗だった。

 64年ぶりの、牝馬によるダービー制覇。オークス開催時期移行後では初の快挙となった。出走自体も96年のビワハイジ以来11年ぶりというレアケース。それだけ、牝馬にとって牡馬相手のレースは高く厚い壁だ。しかし、ウオッカは打ち破る可能性を秘めていた。デビュー2日前の昨年10月27日、クラシック全5レース(皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オークス)に登録。3歳世代ではほかに例がなく、陣営の期待の高さを物語った。

 1冠目を狙った桜花賞では、宿敵ダイワスカーレットの2着に敗れた。だが、角居勝彦師(43)はウオッカの能力を信じた。「牝馬は牡馬に比べ成長が早い。2キロの重量差(牡馬57キロに対し牝馬55キロ)もあるし、春なら十分やれる」。そして、オークスでスカーレットへのリベンジを果たすことよりも、サラブレッドの頂点を決める舞台を選択した。周囲からは「無謀」との声も上がったが、終わってみれば、それを吹き飛ばす完勝を見せつけていた。

 今後は凱旋門賞への挑戦が決定的だ。3歳牝馬が背負う重量は54・5キロ。最も重い古馬牡馬の59・5キロとは5キロもの差がある。これを生かせばチャンス十分。ディープインパクトでも成し得なかった世界制覇へ向け、夢は限りなく広がる。【高橋悟史】

[2007年5月28日8時34分 紙面から]

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