日本代表FW本田圭佑(28=ACミラン)が、バヒド・ハリルホジッチ監督(62)と改革に取り組むことを確認した。23日、羽田空港着の航空機で帰国し、そのまま大分合宿に合流。日本のエースと新監督との“トップ会談”が早くも実現した。14年W杯ブラジル大会、今年1月のアジア杯の敗因を踏まえて「もっと上を目指せる」ことを意思統一した。

 決して長旅の疲れは見せなかった。ミラノからフランクフルトを経由し、合宿地入りした本田は、寒風が吹く大分で新生日本の第1歩を刻んだ。「1、2問だけね」。そう言って初日の印象を語りだし、早くもハリルホジッチ監督と“会談”したことを明かした。

 「監督も言っていましたけど、W杯やアジア杯の試合を見たと。それを見た限りでは(日本は)もっと上を目指せると思うし、負けたのには原因がある。そこを変えていかなければいけない。当然のことをしっかりと、選手にじかに伝えていたんでね。(監督は)しっかり、避けてはいけないところに目を向けている。いい機会かなと思います」

 改革が始まる。「優勝」を公言した14年W杯ブラジル大会は1勝もできずに1次リーグ敗退。2連覇を狙った今年1月のアジア杯さえ、PK戦までもつれた準々決勝のアラブ首長国連邦戦で、自らPKを外して散った。日本は進化どころか後退しているのではないか-。そんな雰囲気さえ漂う今、停滞から抜け出すためには何が必要か。それを本田と新監督の“トップ会談”で、すり合わせをした。

 「印象は(監督が話す)フランス語がイタリア語に似ているなということ。ただ、自分がイタリア語で返したらそれは伝わっていなかった。やっぱり、話すときは日本語で通訳を介さないとダメですね。ただ、オーラがある監督ということに関しては、その通りじゃないかなと思いますね」

 実はこの日が全くの“初対面”ではなかった。代表合流前に、既に本田と新監督とは話し合いをしていたという。それだけ信頼されているという証拠だ。6月からは18年W杯ロシア大会の出場をかけたアジア予選が始まる。再び世界の頂へと続く航海に乗り出す。【益子浩一】