日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が、世界王者を異例の“代表招集”する。28日、大阪市内で行われたアディダスの開店イベントで、ボクシング世界フライ級王者・井岡一翔(26)とコラボし、体脂肪率にこだわりを持つ同監督は井岡の体に一目ぼれ。来年3月に国内であるW杯2次予選への招待を約束し、ロッカー室で代表選手と対面させる夢プランをぶちまけた。

 ハリルホジッチ監督が、世界王者の体にほれ込んだ。イベント前、新店舗内で井岡に質問を浴びせかけた。「体脂肪率は?」「その体を作るためにどんな練習をしているんだ?」「ランニングは時速何キロで、どれくらいの距離を走る?」。この日のイベントは2部制。直前の道頓堀川クルーズに登場したG大阪FW宇佐美が、終了後に同店を訪れていたが、顔を合わせることはなかった。愛弟子の宇佐美をほったらかしにするほど興味津々だった。

 「ボクシング選手の理想の体脂肪率が何%か私は知らないが、サッカー選手にとってはかなりいい。今、彼は10%。サッカー選手ならば理想的だ。(代表の)体脂肪テストで海外組は問題はないが、まだ国内組の選手は少し問題がある」

 よほど3階級を制した王者の調整法を気に入ったのだろう。ついには、来年3月24日のW杯2次予選アフガニスタン戦か、29日の同シリア戦(ともに埼玉)への招待を約束。香川、本田ら代表選手と対面させる夢プランまでぶちまけた。

 「彼に来てもらいたい。試合後にはロッカー室に入ってもらう。試合前にはさすがに誰も(部外者は)入れることは禁止にしているが、試合後ならいい」

 体脂肪率だけでなく、選手の状態面を事細かくチェックしている。前日27日にはスタッフ会議を開き、寒さが厳しくなる欧州組の全選手にケガ予防を指示したことも明かした。11月には東南アジアでW杯予選2連戦。そして、年明け3月には世界王者の力を借りて、18年W杯ロシア大会への道を切り開く。【益子浩一】