日本女子代表が11年6月のW杯ドイツ大会に「ぶっつけ本番」で臨む。アジア杯(中国・成都)で3位に入り、W杯出場権を獲得したチームは5月31日、中国から帰国した。成田空港で佐々木則夫監督(52)は「ベストメンバーでの試合や合宿は、たぶん本大会の直前まで無理だと思う」と明かした。

 海外組が多い強豪国ならではのジレンマだ。今回のメンバー23人のうち3人が米国リーグ、2人がブンデスリーガに所属している。欧州の各国リーグは秋春制。ポツダムで欧州女子チャンピオンズリーグ(CL)決勝まで進み、優勝したFW永里優希(22=ポツダム)は今回のアジア杯でも1次リーグ最終戦の北朝鮮戦でようやく合流した。一方、米国と日本は春秋制で、現在シーズン中。カレンダーの違いから、一斉にチームに合流するのは非常に難しい。

 同監督は「今後さらに海外組が増えるはず。海外クラブが興味を持つ選手が何人かいますから」とも付け加えた。そのためチーム解散に先立ち「それぞれのクラブで、W杯に向けてしっかりコンディションをつくってほしい」と指示も出した。MF沢穂希(31=ワシントン)は「チームの戦い方は固まっているので、個々がレベルを上げれば、チーム力は高められるはず」。11月のアジア大会には米国組と国内組で臨む。一方で同監督は随時、欧州組の視察も行う予定。目標のW杯優勝に向け、苦心のチームづくりが始まる。【塩畑大輔】