まだ五輪出場権を得ていないのに、なでしこジャパンのロンドン五輪観戦ツアーの募集が始まった。同五輪開幕1年前となった27日、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)がホームページ上で、同五輪サッカー女子1次リーグの日本代表観戦ツアーの抽選販売受け付けを開始。5日間で65万円、6日間で69万円と高額だが、初日から数十件の仮予約が入ったという。8月17日まで受け付けるが、定員の100人を上回るのは確実。9月上旬の五輪アジア最終予選(中国・済南)で出場が決まった後、正式な予約となるが、不出場の場合はツアー不催行となる。

 日本時間18日の女子W杯決勝で日本が米国を下して以来、同社には五輪予選と本大会の観戦ツアーに関する問い合わせが相次いだ。27日が五輪開幕1年前になることから、日本の出場権がまだない本大会のツアー企画を開始。日本オリンピック委員会(JOC)の承認を得た後、25日に募集概要を発表していた。広報担当は「お客様の声をいち早く商品化したかったのです。盛り上がったタイミングでツアーを発表できて良かったです。告知して間もないのに、多くの仮予約をいただけたと思います」と話した。

 また、同社では9月1~11日のアジア予選の観戦ツアーも企画中。試合入場券や格安航空券の手配、交通機関の選択などを行っている。23日に起きた「中国版新幹線」の追突事故を受け、ツアーを開催する場合は、高速鉄道は利用しない方針。9月3日の土曜日の夜に韓国戦があり、週末の2日間で日中を往復するサポーターも増えそうな気配だ。

 HISは今年3月にJOC公式旅行代理店になり、16日からロンドン五輪観戦ツアー第1弾の抽選販売受け付けを始めた。開会式、陸上、体操、サッカー(対戦カード未定)などを観戦する全3コース。「1年前割引」を適用した特別価格で、26日の締め切りまでに、定員の100人を上回る予約が入ったという。今回のなでしこ観戦ツアーが第2弾となり、広報担当は「公式代理店になったので、オリンピックという表現を使って募集しています」と話した。