ザックの母国で若き日の丸戦士が成長を遂げる。U-17W杯(来年10月17日開幕、UAE)に出場が決まっているU-16日本代表が、来年4月末から約10日間にわたりイタリア遠征を計画していることが18日、明らかになった。世代別代表も含めて日本代表のイタリア遠征実施は99年6月のU-17代表以来、約14年ぶり。遠征実施に日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(59)の存在が大きく影響しており、U-17イタリア代表と強化試合を行う可能性もある。

 ザッケローニ監督の母国イタリアで、日本サッカー界の若手世代がレベルアップを図る。日本協会関係者によると、U-17W杯出場を決めたU-16日本代表が4月下旬からイタリア遠征を実施する計画で「ザッケローニ監督の存在が遠征のプランニングに大きく影響している」という。

 Jリーグが開幕した93年以降、A代表や世代別代表を含め、日本代表のイタリア遠征は3回のみ。今回、遠征が実現すればU-17代表の99年6月以来、約14年ぶりとなる極めて珍しい試み。高校生年代にとって貴重な経験になるはずだ。

 A代表は来年6月のコンフェデ杯でザッケローニ監督の母国イタリアと激突するが、「弟分」が先にイタリアと対戦する計画も浮上する。3月のU-17欧州選手権予選でイタリアが勝ち残れば、U-17W杯の出場権をかけた同欧州選手権(5月5日開幕、スロバキア)に進出する。その場合は日本が、大会を控えたイタリアの「スパーリングパートナー」となる可能性がある。世代別代表同士とはいえ、名門クラブの下部組織に所属する選手たちで構成されるイタリアとの対戦は強化にうってつけだ。

 現在も指揮を執る吉武博文監督(52)のもと、日本は11年のU-17W杯メキシコ大会で8強に進出する快挙を達成。来年の同UAE大会ではそれ以上の成績を目指すことになる。イタリア遠征では約10日間の滞在で実戦を2~3試合予定しており、同年代の代表やクラブ下部組織と対戦を積むことが可能になる。

 ザッケローニ監督がA代表の監督に就任後、若年層のGK指導にグイード代表GKコーチが参加するなど、世代を超えて「イタリア流」を注入してきた。今回は現地に乗り込み、若き日の丸戦士がイタリアを体感することでU-17W杯への最高の準備にする。