<女子アジア杯兼女子W杯アジア予選:日本7-0ヨルダン>◇18日◇1次リーグA組◇ベトナム・ホーチミン近郊

 なでしこジャパン(FIFAランク3位)が1次リーグ最終ヨルダン(同54位)戦に大勝し、7大会連続7度目のW杯出場を決めた。MF猶本光(20=浦和レディース)は本職のボランチと左サイドバック(SB)をこなし初の先発フル出場。準決勝は22日に行われ、なでしこジャパンは、韓国、中国のどちらかに絞られたB組2位と対戦。

 格下のヨルダン相手に、若い力がピッチで躍動した。中1日での連戦と決勝トーナメント(T)での戦いを見据え、初選出の浦和4人娘ら若手がずらりと名を連ねた。

 前半26分、初戦のオーストラリア戦では何もできなかった吉良が先制点を挙げ「前半に(点を)取れてよかった。ほっとした気持ち」と胸をなで下ろすと、その後はゴールラッシュ。不安を吹き飛ばす快勝で、7大会連続のW杯出場権を勝ち取った。

 ボランチで先発出場した猶本は、前半8分に得意のミドルシュートを披露。左右へ大きく展開する視野の広さでチャンスメークすると、同41分にはクロスに右足を振り抜くなど、積極的に攻撃参加した。

 2-0で迎えた後半には左サイドバックに入り、同3分に左クロスからMF阪口の追加点を演出。佐々木監督は代表メンバー発表後「中盤の選手にSBをさせることも考えている」と話しており、決勝Tを見据えた起用に結果で応えた。

 現在通う筑波大では、同じ筑波大出身で研究室も同じというMF安藤(フランクフルト)から自転車を譲り受けた。オフにはDF熊谷も交え自主トレを行うなど、早くから“代表イズム”を感じ生活してきた。

 昨オフは筑波大で男子の浦和FW原口とスプリントトレーニングを行い、環境を最大限に生かした。ヤングなでしこの主将として臨んだ昨秋のU-19女子選手権大会では今夏のU-20W杯出場権を逃して悔し涙を流したが、パワーアップして国際舞台に戻ってきた。

 前日17日には、MF川村の25歳の誕生日をチーム全員で祝った。ベテランと若手の結束も、日を重ねるごとに強まっている。主将のMF宮間は「新しい選手も多かったけど、伸び伸びやってもらうのが先輩の役目」と後輩の活躍に目を細めた。だが「優勝しに来ているので、まだまだ何も始まってない。W杯出場は決まったが、チームとしてはまだまだ」。アジア初制覇へ、さらなる融合をめざす。

 22日に対戦するのは、韓国か中国のどちらか。いずれにしても難敵との対戦だが、FW大儀見は所属するチェルシーに戻り、エース不在で臨む、ここからが正念場。若い力の出来が、チームの結果を左右する。

 ◆女子W杯カナダ大会

 15年6月6日から7月5日にかけて、カナダの6都市で開催。全24カ国が出場し6組4カ国に分かれて1次リーグを行い各組2位以上が決勝トーナメントに進出。開催国カナダ以外の各地域の出場枠は欧州8、アジア5、北中米カリブ海3・5、アフリカ3、南米2・5、オセアニア1。この日、アジア杯で1次リーグB組の韓国と中国が準決勝に進出してW杯出場を決めた。すでに予選が始まっているアジアと欧州以外の地域は今秋行われる。