仙台ハモン３発　俺がエースＦＷだ

　仙台のＭＦハモン・ロペス（２５）が大暴れだ！　１８日、キャンプ地の宮崎で行われた広島との練習試合（４５分×４本）でハットトリックを決めた。チームは４本計４－６で敗れたが、今季ＦＷに転向した助っ人の活躍でリーグ開幕へ手応えをつかんだ。

　俺がエースＦＷだ！　と言わんばかりにハモンが躍動した。今季初のＪ１クラブ相手の実戦。ブラジルから来た陽気なストライカーは、がっちりセットして立ち上げた髪と同じくらい気持ちも奮い立っていた。２本目の４５分間だけで３得点。メンバーをがらりと代えた３、４本目に６失点し、トータルでは敗れたが「３点取れたことはうれしいが、チームが勝利することが一番」と謙虚な姿勢も見せた。

　豪快なオーバーヘッドで追加点を挙げた。２本目２７分だ。コーナーキックから相手ＧＫがはじいたこぼれ球に反応。宙を舞い、後ろ向きに右足で蹴ったボールは背後のゴールに吸い込まれた。渡辺監督も「あれは彼（ハモン）の能力で決められたゴール」と称賛。本人は「どんな（形の）ゴールでもうれしい」と照れながら「今日は初めて（２トップを）組んだ奧埜といい感じでやれた」と相棒の奮闘にも拍手を送った。

　今季本格的にＦＷに転向した１、２本目のハモンの活躍は、チームの成長を示した結果だった。前からプレスをかけて先手を取り、相手ボールになっても素早い切り替え。最終ラインからサイドを含めた連係が機能し、前線の２人をしっかりフォローした。渡辺監督は「細かい反省はあるが、とてもいい９０分だった」と評価した。

　一転して、ＦＷ山本が負傷するアクシデントなどで練習生３人が入った３本目以降は６失点。９０分ずつで見ると明暗の分かれる結果となったが、指揮官は「チーム作りの過程と考えれば、ゴールも奪えてよかった」。中２日の２１日にはＣ大阪との練習試合も控える。実戦の中でさらに精度を高めていく。【成田光季】

　［2015年2月19日10時54分　紙面から］