清水は仙台を下し、同杯初勝利を挙げた。前半19分にエース大前元紀(25)が強烈ミドルを突き刺して先制点をマーク。同36分に同点ゴールを許したものの、後半32分に途中出場のFW沢田崇(23)がスピードを生かしたドリブルから左足で決勝点。公式戦の連敗記録は「7」で止まり、チームは先月8日のリーグ開幕戦以来の勝利を挙げた。

 清水のエース大前が目の覚める1発を突き刺した。前半19分、FW北川航也(18)からのパスを受けると、ゴール中央にドリブルで進入。相手DF1人をかわすと、迷わず右足を振り抜いた。約25メートルの位置から放たれた強烈な弾道はゴール左隅に突き刺さる。会心のミドルで先制点を決めた大前は右手を突き上げて喜びを爆発させた。

 決めるべき男が決め、チームも活気づいた。この日は前節名古屋戦からスタメン9人を変更。大榎克己監督(50)は「出た選手が自分の仕事をやってくれれば大丈夫」とターンオーバー制を敷いた。今季公式戦初出場となったMF村松大輔(25)は体を張った守備で貢献。MF金子翔太(19)も左サイドで積極的にボールを受けて得意のドリブルを仕掛けた。しかし同36分に同点ゴールを献上。エースの先制弾で引き寄せた流れをつかみきれなかった。

 後半17分にはDF三浦弦太(20)に代えてMF石毛秀樹(20)を投入し、28分にはFW沢田崇を入れた。次々と攻撃的な選手を入れて、攻めの姿勢を見せると、待望の追加点が生まれた。同32分、途中出場の沢田が左サイドをドリブル突破。得意のスピードを生かしてグングン加速すると、左足で流し込み追加点。「出たら自分のエゴを出したい」と臨んだ沢田の移籍後初ゴールで勝利を手にした。エースと伏兵のゴールで公式戦の連敗記録は7でストップ。長く、苦しいトンネルをようやく抜け出した。【神谷亮磨】